原

そういえば僕、芸人さんたちの集まりに呼んでもらった時、占いをする芸人さんに｢50歳で違う仕事をする｣って言われたことがあって。

立沢

それって原クン的にはどうなの？

原

でもよくよく考えたら、うまくいけば50歳くらいで『キングダム』終わるかもなので、当たってるのかもしれないですね。違う仕事をするのか、もしくは違う作品を描くのかもしれないですし。

立沢

芸人といえば、キングダム芸人の人たちって、本当に『キングダム』好きって感じがするよね。

原

そうなんですよ。でも『アメトーーク！』での放送以来、風が吹いたというか作品が知られてきたなっていう実感がありますね。それまでもアニメだったり、ゲームだったり色々ありますけど、やっぱり『アメトーーク！』はでかかったですよ。知ってます、読みましたっていう人が目に見えて増えましたから。

立沢

そういえばこの前、朝のファミレスで『ベンジー』のネームをやってたら、40代くらいの人が、ずーっと『キングダム』読んでるんだよね。何やってる人かは知らないけど。あと電車とかでも読んでる人、しょっちゅう見かけるし。

原

ありがたいです。そういえば札幌の動物園『ノースサファリ』って『ベンジー』の舞台のモデルでしたよね。最近、よくテレビで見ますよ。

立沢

嵐の相葉クンとかよく行ってるみたいだよ。『天才！ 志村どうぶつ園』のロケみたいだけど。原クンって動物好き？

原

大好きですよ。昔、亀飼ってました。

立沢

亀か～。オレはでも、フクロウ飼ってみたいな。

原

いいですよね、フクロウ。子どもの頃に佐賀の実家の裏山にフクロウが住み着いてたことがあって、いつもこっちを警戒してジーッと見てたなあ。そのフクロウが卵を産んで、親がいない隙に卵を触りに行ったりして。フクロウの卵って、まん丸でしかも温かいんですよ。

立沢

オレが思う原クンはと言えば、動物好きと言うより怪談を語る人(笑)。世間の人は、みんな知らないんじゃないかな。結構、怖くて話しも上手くてね。会うたびに｢原クン、アレやってよ｣って。稲川淳二顔負けだよ(笑)。

原

うどんにしても、豆腐にしても言われたのをお供えしてましたね。ご先祖さんが喜ぶみたいで。

立沢

そういうの全然、わからないや。

原

でも子どもの頃から、それが当たり前だったんで怪談話しも得意なのかもしれないです。　

立沢

深いね～。地元って確か佐賀だったよね。

原

はい、佐賀県の三養基郡基山町です。実家の裏にさっき言った基山という400Mくらいの山があって、幼稚園の遠足で登ったりしてましたね。
（※基山…自治体としての『基山町』は“きやまちょう”と読み、山としての『基山』は“きざん”と読む。標高は404Mで日本書紀によると基山にある『基肄城(きいじょう)』は7世紀、天智天皇の時代に大陸の新羅や唐の侵攻に備え大宰府防衛のために築かれたといわれている）

立沢

なんだか『キングダム』っぽい(笑)。そういえば原クン、ネーム作る時、自分で感動して泣くんだよね。社長もそうだけど(笑)。ファミレスとかで号泣してるの？

原

そうなんですよ。感受性が強いというか、よく泣きますね。

立沢

社長がよく｢結婚式で泣く男は浮気する｣って言ってて。でも原クンが結婚式で泣いてるのを見て｢原は例外かな｣ってフォローしてたけど(笑)。でも原クンの涙腺の緩さったらないよね。

原

社長、そんなこと言ってたんですか(笑)。まあでも漫画描く時って、やっぱり孤独なので、ものすごく泣きたくなる時があるんですよ。そういう時は、映画を見たりしてスッキリしますね。

立沢

ジェームス・ブラウン、アレサ・フランクリン、レイ・チャールズ…出てるミュージシャンがとにかく豪華でさ。あと黒いサングラス、黒の帽子、黒のスーツの全身黒づくめのジェイク・ブルースとエルウッド・ブルースがホント最高。この前、亡くなった『スター・ウオーズ』のレイア姫役のキャリー・フィッシャーも出てたなあ。スピルバーグも最後出てたし。あ、そういえば原クンの仕事場で、昔『あしたのジョー』見たの思い出した。確か深夜に。

原

原稿手伝ってもらった時ですよね。立さんに山を描いてもらったんですよ。なおかつウチのアシスタントに指導までしていただいて…。ホント立さんには感謝しかありません。